生理痛について 椎名町の漢方薬専門店

スタッフブログ

豊島区長崎(西武池袋線の椎名町駅)の漢方薬店互善堂です。ご相談の担当をするのは目白で鍼灸院を営んでいる女性鍼灸師です。女性特有の悩みもご相談いただけます。

生理痛はありますか?

生理は女性に月に1回訪れる生理現象ですが、中でも生理痛で苦しめられている人も多いかと思います。
驚いたことに、生理痛はあるのが当たり前だと思っている人も多いそうです。女性の患者様には生理痛の有無を確認するのですが、生理痛がない人がいることに驚く人がいました。生理痛はないのが普通です!!

しかし、生理痛がある人が多すぎる感じもします。生理痛は重い軽いの判断ではなく、あるかないかですでに体の不調のサインとなります。

生理痛がなぜ起きるのか、色々なサイトで読むことができますが、私自身が女性として経験した生理痛を振り返るに、その生理痛の痛みや症状は1つではないということです。整理期間中に来る様々な痛みを一括りに生理痛といっているだけで、その内容は様々で、それに応じた薬が本来必要なはずです。

生理中の不快な症状はどんな症状ですか?

漢方の考え方では痛みが出た時に止めるというよりは、痛みが出ない体を作っていくという考えで漢方薬を選んでいきます。生理痛がない時でも1ヶ月を通して飲み続けていくことになります。中には限定的に痛みを緩和する漢方薬もあります。ということで、生理痛の種類をいくつかみていきましょう。

1、子宮が引き攣るような腹痛

実際に子宮がどこなのか体感としてわかるぐらい、なんかお腹の奥の方が「ぎゅーーーー」っと痛くなってきて、これが波のように痛くなっては消え、消えては痛くなり、発作のように生理1〜2日目を中心に痛くなります。痛い時間は1分程度だったり、15分ぐらいずっと「ぎゅーーーーっ」という痛みを感じる人もいるようです。痛みの度合いは人によって異なりますが、波が最高潮の時にはできれば動かずにうずくまりたくなるぐらい痛みが強くなります。そしてケロッとしたりもします。この痛みは子宮周辺の平滑筋の筋収縮と言われています。一時的な痛みの緩和に芍薬甘草湯が適応です。長期的に痛みの軽減を求めるのであれば当帰芍薬散などがおすすめです。

2、重だるい腰痛

腰が全体的に重だるくなります。激痛で動けなくなるというぎっくり腰などの痛みとは違い、腰の筋肉が固まってしまって動かない感じです。腰を捻ったり丸めたりなどのストレッチをすると少し緩和をしますがすぐに固くなったような重だるさがぶり返します。温めると緩和します。この生理痛が強い人は同時にドロっとした経血の塊が出る人も多いのではないでしょうか。桂枝茯苓丸や桃核承気湯がおすすめです。

3、頭痛や首肩こり

生理前から起きる人も多いのですが、生理期間になると頭痛や肩こりがひどくなる人がいます。生理期間の体の不調は腹部や腰部周りだけにとどまりません。この場合も桂枝茯苓丸や桃核承気湯、柴胡桂枝湯、加味逍遙散などもおすすめです。

4、吹き出物

生理痛とは少しずれますが、生理期間になると肌荒れや吹き出物が出てくるという人もいます。体のホルモンバランスの崩れと言われていますが、なる人もいればならない人もいるので、改善することができます。体の状態により、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、当帰芍薬散、加味逍遙散などがおすすめです。

5、倦怠感・気分の落ち込み

全体症状として、整理中は体全体が重だるくなり、やる気が下がってしまう人も多いのではないでしょうか。そもそも生理痛が痛くて仕事したくないという通常の反応の場合もありますが、この期間が特別やる気を失ってしまう、体を動かすことが億劫になるということもあると思います。柴胡加竜骨牡蠣湯や半夏厚朴湯、桃核承気湯もおすすめです。

乳房痛

お乳が張って痛くなります。ちょっとぶつかるだけでも痛いと感じることがあります。ぱっと見、大きくなるので喜ばしいと感じる人もいるのかもしれませんが、うつ伏せで寝るのが鬱陶しく感じる人もいると思います。桃核承気湯などがお勧めです。

漢方は体質で選ぶ

生理痛といってもその症状はさまざまで、程度もいろいろです。理解をするという意味で症状に分けて漢方薬のお勧めをしましたが、重複して登場する漢方が多くあります。漢方薬は体質によって選ばれるものであり、症状で選ぶものではありません。例えば、桃核承気湯が一番多く登場したと思いますが、では、腰痛はあるが、腹痛もあるから桃核承気湯ではない!というとそうとも限りません。色々とお話を聞きながら体質を確認し最適な漢方薬を決めていく必要があります。

瘀血(実証)

瘀血があると経血の排出が円滑に行われなくなります。瘀血とはイメージで言えば、果物を潰して火にかけて煮詰めてトロトロになった感じです。流れが悪くなり少し固まります。ジャムですね。体の中に熱が溜まっている状態なので、この熱を下げる漢方薬がおすすめになります。普段は活発な人にお勧めです。桂枝茯苓丸、桃核承気湯、加味逍遙散などです。

血虚

血は栄養を運びます。血虚の時は栄養状態が悪く、皮膚が乾燥し、皮膚の色も悪くなります。普段から力ないタイプであれば当帰芍薬散などがおすすめです。

気血両虚

血は気によって動かされます。血が料理だとしたら、ウェイターが気です。血虚では料理だけが不足していましたが、今度はウェイターまで足りない状態です。加味帰脾湯などがおすすめです。

最初はこの3つに分類して自分の状態を把握して漢方薬を選んでみるのがお勧めです。ただ、人の体は複雑に絡み合ってできているため、うまく選ぶことができなければ、ぜひお気軽にご相談ください。

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