【薬膳に入門】トマトで高血圧と夏バテ対策

薬膳

西武池袋線椎名町駅から近くの漢方薬店互善堂です。相談ベースで漢方薬、中国医学視点の生活改善のお手伝いをさせていただいております。

今回は、連休をいただいて地産地消系野菜をたっぷり食べてきたテンションで始める【薬膳に入門】を気まぐれでスタートしてみようかと思います。身近な野菜などが体にどのような影響を与えるのか、少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです!

さて、まずは旬野菜のトマトから。

トマトは夏が旬の野菜です。おやつがわりに、冷やして食べると美味しいですよね。中には水分やミネラルをたっぷり含むため、最近何かと話題になる「水中毒」対策には良い食べ物です。

トマトには体を冷やす作用があります。前述の通り、水分とミネラルを含むため、効率よく体に水を吸収させます。その結果冷やしてしまうんですね。生でたくさん食べるとより冷えるので、量や食べ方に注意したいですね。その分、夏バテ対策には効果的です。トマトジュースにして1日に1〜2杯飲むと暑さに当たった頭痛などには良いですね。逆に冷房に当たりすぎたことによる頭痛には向いていません。

トマトの作用には降圧作用があります。動物実験では短時間で血圧が降下することがわかりました。高血圧患者の方の補助療法として活用することができそうです。ドイツでは無塩のトマトジュースを高血圧患者に薦めているそうです。市販のトマトジュースには塩分を多く含んでいるものがあるので、そこは注意が必要です。

副交感神経を抑制する効果もあるトマトは、便秘症の人の見方になってくれるかもしれません。たくさん食べるとお通じが良くなることがあります。便秘の種類は多くあるので、体質に合うか試してみるのは手かもしれません。

さて、実際に、どの程度トマトを食べると降圧作用が期待できるのか気になりますよね。『台所薬膳』によると毎朝空腹時に新鮮なトマト1〜2個を2週間ぐらい続けてみると記載があります。朝ご飯をトマトと置き換えるというイメージでしょうか。割とハードルが低いように感じます。食欲増進と疲労回復も促すので、まだまだ暑さが続くこの季節にはぴったりですね。一度お試しください。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」という俗言があります。トマトは栄養価も高く、食べやすく、生活習慣病の予防も期待できます。医者の必要性を奪えるぐらいの食材なので、積極的に食事に取り入れていきたいですね。

薬膳としてのトマト
漢名 蕃茄(バンカ)
別名 あかなす、トリガキ、サンゴジュナスビ
五味 微甘
五気 涼

少し専門的な内容となります。
トマトは中国医学的に甘に分類されます。甘は脾を強くする効果を期待できるため、胃の不快感が続いているときにトマト料理を出すのは効果が期待できます。通常の甘だと場合によっては体の不快感を増悪させる場合もあります。涼の性質を併せ持つトマトの場合、胃の熱を抑えることができると考えられるため、食べすぎて口内炎が併発しているときには食事量を抑えて、トマトを加えてみると良いでしょう。
その他、筋肉の緊張を弱めたり、痛みを和らげる作用もあります。滋養強壮という意味合いで理解しても大丈夫です。
資料によっては五味は酸になっているものもありました。収斂作用によって、汗が止まらないような脱水症状になっているときに、汗を止めて体の水分を蓄え、かつ、熱を下げるという、、さらに夏バテ対策にぴったりな解釈になります。
あくまでも解釈の話ですが、実際、暑い時のトマトは水分補給としてミネラルもあり優秀です。甘・酸・涼の3つの性質を加味して料理に加えるのは当然の流れですね。

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