2022年仕事始めてました!今年も漢方薬店互善堂をよろしくお願いいたします。
冬だから寒いのは知っているのですが、寒いですよね、ほんと。連日寒いです。
そんな寒さで体が冷えてしまった時、一杯の味噌汁はものすごく体を温めてくれます。不思議これほんと。
味噌は薬膳としても優秀な食材です。味噌のいいところをおさらいして、食卓にも優しい味噌汁をぜひ取り入れてください。
発酵食品としての味噌
味噌は大豆を発酵させて作った調味料です。発酵させると何が良いかというと乳酸菌を作り、腸内の環境を整えてくれます。植物から作られた植物性乳酸菌と言われる種類のものは生きたまま腸内に届くと言われています。乳酸菌は腸内で乳酸を発生させます。そうすると腸は酸性に傾き、病原菌などが生存しにくい環境を整えていきます。乳酸菌は免疫機能に関与している大切な菌です。そんな菌は私たちが食べるものに左右されています。乳酸菌を増やす食べ物、乳酸菌が育つ食べ物を選ぶことで免疫力を向上させることができるのですが、味噌は乳酸菌を増やす食べ物として優秀ということになります。
薬膳としての味噌
薬膳の考え方として五味・五気というものがあります。五味とは味を示します。甘・鹹(塩辛い)に分類され、五気は性質を表し、温に分類されます。「甘」には滋養作用と弛緩作用があります。寒くて体が硬くなっているところを弛緩作用がゆるめて血液循環を促してくれます。「鹹」にも硬いものを柔らかくする作用があります。相互作用でより筋肉の緊張を和らげてくれます。そして「温」はそのまま体を温めるものです。興奮作用もあります。冷えて沈静してしまっている体を温め喝を入れてくれる調味料とも言えるでしょう。
注意が必要な味噌
味噌はご存知の通り、塩分が高いため、取り過ぎには注意です。塩分でむくみが増す人、塩分で血圧が上がりやすい人は取りすぎないようにしなければいけません。むくみや血圧の原因は人それぞれです。自分が塩分に反応しやすいタイプなのかは自分の生活の中で見つけることが必要になります。「今日はむくみがひどいな」と思った時、前日の食べたものを振り返り塩分がいつもより多かったのかそうではないのかを調べる必要があります。外食をすると塩分は多くなりがちなので注意が必要です。
日本人の食事の大堂!ご飯に味噌汁が優秀。
味噌は畑の肉と言われる大豆が原料になっています。良質なタンパク質、脂質、ビタミンB2、鉄、リン酸、カルシウムを含んでいます。そして、白米では摂取できないアミノ酸を補うことができるのが味噌汁です。現実にはないでしょうが、白米だけ食べていると足りなくなるアミノ酸を味噌汁が補充してくれます。とても優れた組み合わせと言えますね。
味噌汁の具にするならこれ!!
味噌汁は手軽に作れる健康食品!薬膳な訳で、ぜひ取り入れていただきたいのですが、今はダシ入り味噌も発売していて、料理の手間もだいぶ省くことができます。お湯を沸かして味噌少々溶かすだけで味噌汁が出来上がるので、もしかしたらレトルト味噌汁と同等以上に簡単に作ることができます。
さて、本当に味噌汁だけでは少し寂しいので具を入れると思いますが、何の具を入れるかも薬膳を考える上で大切になってきます。先ほど紹介した五気で具を選ぶとより体を温める具材を探すことができます。
冬の寒い中で振る舞われる豚汁ってものすごく温まりますよね!豚汁の具材を例に考えてみましょう。
豚肉は「平」に分類され、特に温めるや冷やすなどの作用がありません。使い勝手がいいですね!豚肉には陰を補うという作用があり、筋肉や骨、血液などを補う(強くする)と言われています。虚弱な人を健康にしたり、老化を防ぐ働きがあるとされています。
大根は「涼」。体を若干冷やし、鎮静や消炎作用があります。大根の味噌汁は冬の味噌汁というよりは夏の味噌汁と言えそうですね。
人参は「平」なので冬にもよさそうですね。胃腸を補う働きがあるので寒さで体力が落ちている時などにも良さそうです。
ごぼうは「涼」です。ちょっと意外でした。食物繊維が豊富なので腸の活性化には良さそうです。ごぼうの種は漢方薬の原料としても使われるのですが、ごぼうの種では「寒」という最も体を冷やす性質を持っています。ごぼうの味噌汁は体を冷やす力が強くなりそうなので、「温」の性質を持った具材をもう1つ入れたいところですね。
こんにゃくは「寒」。だいぶ冷やしにきてますね、豚汁。ただ、こんにゃくにも食物繊維が豊富で、腸を刺激し便通を促し、余分なコレステロールの吸収を抑制する働きもあるので、健康食品としては優秀です。
ということで、豚汁から離れ、冬に体を温めてくれる味噌汁の具のおすすめはこちらです!
玉ねぎ:「温」の性質を持ち、体を温めてくれます。少しくたくたに煮込めると甘味が増し美味しさもアップします。コレステロールや血圧も下げてくれる効果もあり、寒い日の味噌汁として定番にしたい具材です!
生姜:こちらも「温」の性質を持ちます。味噌汁の具材に生姜だけというのは少し食べにくいので、他の具材のサポート役をしてもらうと良いと思います。お通じが滞りがちな人にはごぼうと生姜のみじん切り味噌汁がおすすめです。じゃがいも「平」と生姜も相性が良く、美味しくいただけます。
かぶ:「温」の性質を持つカブは、炎症を抑える作用もする食材でもあります。冬の風邪ひきそう〜なんて時はカブの味噌汁もおすすめです。
*食材の色は「温」「平」「寒・涼」と連動しています。
身近な食材も薬膳の考え方を通して見ると料理が面白くなるかもしれません。
薬膳に関する知識も時々ブログにしたいと思っています。よろしくお願いします。
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