漢方薬のエキス剤って何?

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漢方薬エキス剤

西武池袋線の椎名町駅から徒歩2分(住所は豊島区長崎)、漢方薬のエキス剤を販売している漢方薬店互善堂です。

互善堂は漢方薬の飲み方のスタイルとしてエキス剤を提案しています。エキス剤では本格的な漢方と呼べない?エキス剤は効き目が薄い?いろいろな疑問にお答えできたらなと思います。

エキス剤は粉薬のような見た目

エキス剤はエキスというだけあって、水溶性の液体なのかな?と思われがちですが、漢方薬でいうエキス剤とは粉薬のような状態のものです。1回分ごとに粉末化された漢方薬が包装されています。包装紙を開けると中には茶褐色の粒状の粉薬が入っています。見た目はお医者さんで処方される粉薬と同じようですが、実はこれはお湯に溶かして飲むことが推奨されるエキス剤という漢方薬となります。

エキス剤の飲み方

エキス剤をお湯に溶かす。

エキス剤の飲み方として、そのまま粉薬として口に放り込む方も多いと思いますが、末尾に「湯」とつく漢方薬はできれば温かいお湯に溶かして飲むことが望ましいです。「湯」がつく漢方薬の中には体を温めることを期待する漢方薬が多いです。葛根湯などは特に、そのまま飲んでも効果はありますが、暑いお湯に溶かしてふーふーしながら飲むとよりその効果を発揮します。ただ、良薬口に苦し。漢方薬の苦味や独特な匂いが立つので(その匂いも必要な場合も多いのですが)お湯の量に決まりや推奨はないので少なめにして一口二口で飲み終わるように調節するのもありです。

漢方薬はお茶と基本は同じ

漢方薬は本来、生薬と言われる草や木の皮や根など、自然由来のものを煮出して飲む薬です。緑茶や紅茶、コーヒー、ハーブティーと同じで、元は植物(一部動物由来のものもあります)です。

緑茶などは葉っぱ事前に加工して抽出液=エキスが出しやすくされているので、急須にお茶っ葉を入れてお湯を注ぐだけで緑茶が完成します。漢方薬はお湯を注ぐだけではエキスがお湯に移らないため、40分ぐらい弱火にかけてじっくりとエキスを煮出していきます。この煮出された液体には植物から抽出された様々な成分が溶け出しています。

例えばコーヒー豆から落とすコーヒーとインスタントコーヒーの違い

エキス剤はこの煮出されたエキスをドライフーズにしたものです。インスタントコーヒーと同じと考えていただいて差し支えありません。漢方のエキス剤をお湯に溶かすと煮出した漢方薬とほぼ同じになります。

煮出した漢方薬とエキス剤で飲む漢方薬とでは何か違うところはあるでしょうか?これは、コーヒー豆から落とすコーヒーとインスタントコーヒーの違いを考えると良いかと思います。コーヒーを落とす手間がかからない、ゴミが出ないので手軽。ただ、風味は劣るのかなと思います。この差は漢方薬にも多少影響を与えますが、成分に関しては遜色ありません。

エキス剤のメリット・デメリット

エキス剤のメリットは何よりも手間がかからないという点です。1つ1つ、個包装をされていて、保存や持ち運びが簡単です。匂いや苦味が強く飲みにくい漢方薬でも一口で飲み終われるところはメリットと言えるでしょう。

デメリットについて、匙加減のオーダーメイドの漢方薬が提供できないところです。生薬を煮出して飲むタイプの漢方薬ではその人の個々の体調に合わせた漢方薬を匙加減で調合することができるのですが、すでに個包装されているエキス剤ではそれはできません。一律で手に入りやすく手軽ではあるのですが、オーダーメイドと行かないところはデメリットになります。また、漢方薬をに出している時間というのは1つの治療時間として捉えることがあります。漢方薬を煮出す約40分間をゆったり、香りを嗅ぎながら過ごすことも治療の大切なひとときです。それをすっ飛ばしてしまうのはエキス剤のデメリットになり得ます。

いかがだったでしょうか?漢方薬は「薬」とは言っても、元来「お茶」の一種であり、それを飲む時間が治療時間となります。エキス剤で手軽で習慣化しやすく、気軽に日常に漢方を追加してほしいという気持ちはあるのですが、一方では、しっかりと治療をしたい方は漢方薬を飲む時間を治療時間として充実させてほしいという気持ちもあります。上手に漢方薬を生活に取り入れて不調を取り除いていただければと思います。

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